働くADHDの日常

上司と親しい同僚にオープンにしながら医療従事者やってます。コンサータ内服中。

自分のこと

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ADHDというと、よくいわれるのが

片付けができない
時間にルーズ

など。

でも、私は片付けできるし、遅刻もしない。

ひとくちに発達障害といっても、
出てくる症状は様々なんです。

私が一番苦手なのが
スケジュール管理。

日勤だと思って出勤したら休みだったとか
遅番だと思って朝のんびりしてたら日勤だったとか。
2.3回ある。
でも、コレくらいは発達障害の人でなくとも
交代勤務の人なら経験したことあるかもしれません。

スケジュール管理、できないのは子どもの行事など。

学校には色々な予定がある。
学年集金、給食集金、学用品等の集金関連、
遠足、プール、宿泊研修に参加する際の体調管理表、
(該当する日や前後に体調チェックをする。
忘れると参加できない)
授業参観、懇談会、草むしりやプール清掃などの
PTA関連の仕事、修学研修説明会、
三者面談、個人面談、家庭訪問、進路説明会…

コレが3人分。
とてもじゃないけど把握できない!


忘れもしない一昨年の春
娘の保育園の遠足の予定を見逃し、
フツウにおくりだしてしまった。
お弁当など用意一切忘れていて、なにも用意なし。
保育園の先生に今日は遠足ですよと言われたお姑さんが
マッハでお弁当やら敷物やら水筒やらを
用意してくれた。

このときばかりは1ヶ月くらい
落ち込みを引きずっていた。

でも、娘も、お姑さんも、
誰も私を責めなかった。
お姑さんは、人生いろんな事があるよと
笑ってくれた。

その一言で前に進める。
たぶんあのとき怒られてたら、
「全部私に押し付けないでよ!」と
逆ギレしておしまいだったと思う。

幸運にも、私は前に進めた。

4月に、子どもたちが「年間行事予定」なる紙を
学校からもらってくる。

それをその日に、全部、手帳とカレンダーに書き込む。
予定が変わるかもしれないから、
付箋に書いて貼る。

こうして何とか今日も綱渡りの日々を送っている。

仕事について 2

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この仕事をしていて一番困るのが
次から次へと仕事が押し寄せてくること

ひとつの仕事をしていても、横から容赦なく
他の仕事が割り込んでくること。

ひとつの仕事にだけ集中しないで
周りにアンテナを張りながら仕事しなければならないこと

コレ、ADHDの人のもっとも苦手なことのひとつ。

例えば

Aさんに薬を飲ませる時間になったので
薬を取りにナースステーションに戻ると、
医師が「Bさん今日は熱ある?」と聞いてくる。
温度板を医師に渡したときにナースコールが鳴る。
コール対応してまたナースステーションに戻ろうとすると、医師が「Bさん熱あるから点滴しよう」と指示を出す。

(何の対策も取っていないと、
私はこの辺りですでにAさんの薬のことは
忘れている)

そして、夕方来た夜勤のナースに
「Aさんの薬が配薬カートに残ってるけど薬のませた?」
と聞かれて青ざめる(T_T)

最近はさすがにこんなミスないけど、
診断がつく前はこんな経験一度や二度じゃなかった。

でも、発達障害は一生治らないから、
今でもこういうリスクを
私が持っていることは変わらない。

でも、対策ひとつで何とでも
リスク回避できる事を学んだ。

私が好んで使っているのが、
小さなメモ帳、付せん、todoリスト、タイマー等

メモ帳は、患者さんに頼まれたことを忘れないように
その場でメモするために、
常にポケットにいれている。

Todoリストには今日必ずやらなければいけないことを
書く。
自分を信じてないから、新人みたいに
点滴実施サイン、看護度入力、処置コスト入力
入退院入力、等の毎日ルーチンで行うことも必ず
チェックしている。

他は時間の決まっている処置や薬を書いておき、
1時間毎にかけたタイマーが鳴る度に
一度落ち着いて、今までの時間で漏れている
仕事はないかリストを見直してる。

処置や薬の時間に合わせてタイマーをかけていたことも
あるけど、その作業の途中でアレコレ話しかけられたら
結局忘れてしまうから意味無いと思い
より効率的な方法を探した。


お薬や処置に関しては
ケースバイケースだけど
患者さんにも、ナース任せにしないで
自分のこととして捉えてもらうために
処置や薬の時間になっても私が来なかったら
ナースコールしてくださいとか、
点滴が終わるのに気づいたら呼んでくださいと
お願いしている。
あくまでも声かけ程度に。


あとは、チームリーダーに
今日は忙し過ぎて時間薬を忘れそうだ(T_T)と
泣きを入れるとフォローしてくれることもあるし、
初めからリーダーにその仕事をお願いしちゃう
時もある。
忙しい時はミスしやすいのをお互いに知っているから
皆快くフォローし合える雰囲気。
逆に私が頼まれることもある。

勿論、時間通りに患者さんのところに行くのが
当たり前。
でも、そうできない現実がある。
自分の発達障害からくる問題であったり、
看護という仕事のシステムの問題でもある。

これからの私の課題は、先手先手を打つこと。
それは患者さんの状態だったり、
病棟の流れだったり。
しっかりと読む力を付けたい。

私の大の苦手な「臨機応変」に太刀打ちできるよう
勉強と工夫の日々なんである。

仕事について

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看護師をしてます。
不注意優勢型のADHDですが。
コミュニケーション苦手ですが。

大きな問題も起こさず、今日まで来ました。

多分、自分で自分を信じていないので
何度も何度も確認したり見直したりすることで
間違いなくきたのだと思います。
「一緒に確認してください」
「メモするのでちょっと待ってください」
「内容をもう一度確認していいですか」

わたしがよく使うことば。

ミスをしたことのない看護師など、
世の中には一人もいないと思います。

時々、何でここまで仕事を続けてこられたのか
考えることがあります。

間違えたら言い訳せずに素直に謝ること、
手伝ってもらったら感謝すること
頼まれたら断らないこと
例えそれが年長者であろうと新人であろうと
関係なく。

自分の方が年上だからどうとか
年下なのに敬語じゃないとか
あの人と夜勤憂鬱だとか

そんなこだわりは、普通の脳に生まれた人だけで
やってください…

今日いちにち、大切な患者さんを安全に看ることができる
私には何より大事。
それを常に忘れなければ、
自分なりにADHDの特性をカバーする
仕事のやり方は自ずと見えてくる。

一番はこの仕事が好きだから。

今年に入って、上司に発達障害の事を話した。
同僚にも公表すべきか相談したら

「そんなこと公表したら、ここでは働けなくなるよ」

と言われた。
仕事が仕事だけに、上司の意見はもっともだと思う。
私のことを思って言ってくれたのだと思う。

働けるよ。
むしろ、発達障害の私が安全に働けている
この環境を、上司は誇っていいくらいですよ
と思った。

診断

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ブログ再開にあたって、改めて診断当時の分析結果を読み返してみた。

検査を受けたのは2004年の7月。日本橋のクリニックだった。

社会人になって、この診断にたどり着くまで、

毎日死ぬことばかり考えていた。

 

何をやってもうまくいかない。

なのにその原因がわからない。

対策の立てようがない。

 

途方に暮れていた。

どうやら自分は他人と根本的な何かが違うのではないか。

でもそれが何なのかわからない。

 

毎日PCに向かって「不注意 直し方」「忘れやすい 対策」などと

検索して自分にある原因を探していた。

 

ADHDにたどり着いたきっかけは何だったかもう忘れてしまった。

たしか「Azule」(だったかな)といHNの白井さんとい方の

ブログか何がヒットして、そこではじめて

「大人の発達障害

というワードを知ったと思う。

 

こんなこと言うとと意外に思われるかもしれないけれど

私は自分が「発達障害」だと判明したときとてもうれしかった。

 

不注意の原因が分かって、言われたことは必ずメモに取るとか

クスリの確認など重要な作業の時は話しかけないよ頼むとか

工夫したら劇的に生活の質が向上した。

 

しばらくは集中力を高める薬などを飲んでいたけど

だんだんと生活に慣れて工夫だけで乗り切れるようになったので

1年ほどで病院には通わなくなった。

 

でも東日本大震災で心のよりどころにしていた友人を失い、

心のバランスを崩して

要するにうつ病になり、今までスムーズにできていたことに

いちいち躓くようになってしまった。

 

そして今年に入って再び精神科にかかることになった。

 

今は薬で困りごとをカバーして何とかしごとも続けていられる。

でも、本音は就寝中に突然死しないかななんて考える日もある。

こんなわけのわからない脳に生まれて、

「辛い。生きてるだけ辛い」と訴えても

「そんなのみんな同じだよ、甘えるな」

と、一蹴される。

その辛さをなかなか理解してもらえない。

ただの努力不足、怠けと思っている人もいると思う。

 

 

ライブに行ったり楽しいこともあるけれど

心の底ではいつも

生まれてこなければよかったと未だに思っている。

 

薬について



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今はこんな感じの薬を飲んでいる。
コンサータは仕事のある日だけ3錠。

思うように集中できて、
私には合っていると思う。

この薬、高いんだ。
1錠450位する。
月の薬代、3割負担で1万5千円。

いい薬なんだけど作用が強いから
効果が切れたあとの
倦怠感、疲労感がヒドイ。

仕事帰りにライブにいくことが
とても難しいことになってしまった…

リフレックスという薬。
気分の上がり下がりをマイルドにするために
飲んでる。

もう死んじゃえ(-_-)みたいなのがない代わりに
キャー!楽しい!(≧∇≦)みたいなのも
抑制されてる。

でも、飲まないと普通の生活もできないし
普通に働けない。

ADDやASDの人で、定職に就いている人は
少数派らしい。

障害をオープンにして障害者枠で働いている人もいるけど、
大体の人はクローズにして
クローズにせざるを得ない状況ではたらいてる。

薬を飲まなくても、
命に別状はない。
でも、飲まないと働けない。

なかには自殺してしまう人もいる。
私の友達も、死んでしまった。

わたしは、できれば寿命までは生きたい。
でも今現在、素のままの私では
社会では生きていけない。

私が何に困難を感じているか
分かってほしいけれど、
うまく伝えられない。

6月になり

先日、5月25日のNHK朝の情報番組に
栗原類さんが出演した回をご覧になった方
いるだろうか。

 その番組で、栗原さんは自分がADDであるという事をオープンにした。
ADHD/ADD 注意欠陥(多動性)障害
先天性発達障害の一種だ。

実は、私もADD。
おまけにASD(アスベルガー障害)もある。

今年、職場の上司と信頼できる同僚に自分の発達障害のことを話した。

理由は幾つかあるけれど、
一番は、この障害が
「死ぬより辛い」
という事を分かってほしかったから。

今までは若さと気合いでカバーしていた事が
寄る年波に勝てず、
半年前からとうとう薬を飲んで
生活していかざるを得なくなってしまった。

自分史上最大に凹んだ。

自分が生きてることに価値が見いだせない。

なんで急にこんな重たいことを
言い出したかというと、
…よく分からない。

タイムリーかなと思っただけ。
ずっとタイミングを探してた。